形より入り、形より出る
基本の重要性
それをベースにした創造的な活動
前に書いた
「八正道」の続きです
1)正しい知識の習得
2)知識の長期蓄積と創造的な自己活用
こここ書いたことを
別の言い方で説明します
それが
「形より入り、形より出る」
万人が認めるような
基本的な正しい形を徹底的に習得し
さらに
そこの段階に止まらずに
自分の個性的な状況によく合うように
自分の頭で考え工夫して
自分流の自由なやり方・個性を作り上げていく
マイミクのぱぴよんさん
桐朋の研究科の学生として
フルートの公演をされているとき
パンフレットに
恩師(吉田正さんだと思います)
からの大切な言葉として
「形より入り、形より出る」
紹介していました
彼女
その後
非常に活躍されており
大きな交響楽団とサントリーホールなどでも
共演されています
最近
なかなかうまく調整できずに
コンサートにいけなくて
申し訳ないのですが
クラシックのファンの方
是非
マイミク「ぱぴよん」さんのブログを見てください
公演日程が次々に出ています
実は長年学生諸君に
学年の初めに話してきたこと
それが
「形より入る」
特に経済学には
多くの基本的な専門用語と理論モデル(メカニズム)
があります
これが基本の形です
ほかに学問でも
同じですし
さまざまな芸事でも、
同じだと思います
学生には
初めは難しそうで
なかなか大変ですが
この基本的な形から入りなさい
経済学を理解するために
学問の基本の形から学習する
しかも
基本は完全に身につくまで
繰り返し繰り返し学習する
それがなかなかできない学生が多くて
経済学は難しいと敬遠していく
その結果
いつまでたっても
経済学の知識や考えが身についてこない
どんなにつらくても
みんなが一度は通過する関門だから
辛抱して頑張りなさい
この基本の形が身についてくると
その後は
どんどん学習が広がって息
おもしろくなり
成長していく
自分で自分流にやるのは
こうした基本の形がある程度体にしみこんでから
そうでないと
我流になって
そこで成長が止まってしまう
私のいつも挙げる例
大リーガーでも
春のキャンプでは
基本のキャッチボールを繰り返しやっている
基本をもう一度
体にしみこませていく
その後で
高度なプレーができるようになる
それほど基本の形は
その分野で長年の経験や思考の中で
作り上げられてきたもの
普遍的な、理にかなったもの
だれが見ても納得できるような正しい形
それを土台にして
はじめて
新しい創造的なものが生まれてくる
高齢化社会で
年をとって、新しい芸事に打ち込む人が
多くなりました
それは健康増進にとって
非常に重要なこと
エイジングする脳を
刺激し、活性化するには
日常的な運動を取り入れなければならない
年寄りには年寄りのやり方
があると思います
いきなり張り切って頑張ろうとしても
なかなか上達しません
やはり
まず正しい基本を繰り返し学ぶこと
その正しい基本が身についてくると
その後も面白くなって
さらに上のやり方へ、
上達していくと思います
その意味で
高齢者のスポーツには
よき指導者の役割が
非常に重要です
最近
フラダンスやタヒチアンの踊りを見ます
まったくの素人の観察ですが
基本的な踊りの形ができている方は
どんな踊りを見ても
形が美しいですね
踊りの基本がまだ未修得の方は
そこの手の動き、・・・
その体の動き・・・
見るものに不安感を与えます
その意味で
伝統文化の警鐘は
素晴らしいですね
子供の頃から
阿波踊りなどを習っていると
自然に基礎の正しい形ができており
どんな動作をしても、
それぞれが勝手に
おどけてみても
どんな表情をしても
”きまっている”
美しい形になっている
例年の越谷阿波踊り
徳島の人々も参加して
素晴らしい
感嘆の声
これが
基礎の正しい踊りの形
歌舞伎の役者の所作の美しさ
小さい頃から学んで
身についている動きの形
どの役者も実に美しい形
歌舞伎の魅力の一つですね
こうして正しい形が決まってくると
そこから
新しい自分の個性を生かす道が生まれてくる
”形から出る”
基本の形は
あくまで普遍的なものであり
その人独自のよさを出すまでには
いたっていない
多くの人々を魅了するような感動を
引き起こすには
その基本的な形から
さらに1歩も二歩も
出なければならない
そこから
芸術家の苦しみが始まるのでしょう
有名な画家でも
初期の作品は
どこか他人の真似をした習作のようなものがあります
他人の基本をうまく倣うことは
その段階では大切ですが
独立したアーチストとしての個性を確立するには
自分流の新しい形を創造していかなければなりません
今まで習得した知識や経験を生かしながらも
人まねでない
自分独自のものを創造する
そのためには
脳の中の長期記憶にある知識情報を
苦しみながらも自分流に
いろいろ組み替え、再編成し
その繰り返しの中で
今までになかったようなまったく独創的な形を
生み出していく
この新しい創造的な活動は
知的好奇心の強い人にとっては
非常に大きな楽しみです
しかし
生みの苦しみも非常に大きい
ゼミの学生の指導では
基本の形を繰り返し復習しながら(2年生)
そこで
生まれてきた自分たち独自の
新しい好奇心や疑問を基にして
自分たちのなにか新しいものを作り出そうと
します
形より出る
実際に
海外の現場に行って調査したり
いろいろな人からさらに情報を入れたりしながら
皆でなんども同じところをぐるぐる回りながら
議論を繰り返し
考え考えしているうちに
突然の気づき
ここが私たちの新しい発想、新しい視点
そこから新たに
独創的なモデルや政策提言が引き出せる
専門家からみれば
レベルの低いものであっても
学生にとっては
自分たちが苦しんで生み出したもの
それは値打ちがあります
この気づきの瞬間は
非常に感動的
嬉しくて、ほっとした救いがあり
いつもでも心の中に残るものです
さらに言えば
創造的な活動の中で
神経細胞を使って考え
悩み苦しんでいくと
脳内に
その活動に必要な新しい神経細胞が鍛えられて
どんどん新たに生まれ、増強されていく
新たな脳内変化が生じている
創造的な活動を支える神経細胞のネットワークが
こうして
大きく強くなると
次の新しい課題に対しても
さらに強力に
創造的な活動を続けるようになる
その結果
どんどん神経細胞のシノブスが強化され
その人独自の創造性が
完全に身についてくる
芸術家も
この独創性を出す連鎖を繰り返しながら
最終的には
完全にその人なりの素晴らしい世界を作り上げることになる
つつき
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